コンプレックスが強すぎて
冷静に自分が見れず、
おしゃれに縛りをつけてしまって
私は長い間おしゃれにとても
苦労してきました。
手足が短い
顔が大きくバランスが悪い
いつから自分をこう思い始めたのか
振り返ることがあります。
ヒールがない靴が怖い
スタイルが悪い自分が太ってしまうと
更にスタイルが悪くなるので
20代後半
その強すぎる考えがピークに達して
長い間摂食障害を患っていました。
思い起こせば
初めて自分がスタイルが悪いと
思ったのは、ジーンズを履いたときでした。
私の高校の同級生でとてもかっこよく
ジーンズを着こなせる友達がいて
自分も同じようにジーンズを
履きたくて試したときでした。
鏡に写った自分はあまりにも不格好で
悲しくなったのを覚えています。
少年のように細かった身体も
中学生あたりから脂肪がつき始めて
その時は人生で一番太っていたと思います。
その時私にファッションを教えてくれる
人がいたら
ここまで自分を嫌いになることは
なかったかもしれません。
それからというもの
私は人と自分を比べて生きるように
なりました。
人と比べるということは
上を見て劣等感をもつと同時に
下を探して優越感を持つことでも
あります。
私はコンプレックスを持つことの
最大のデメリットは
ここにあると思います。
自分を受け入れないということは
人間としての成長を止めてしまう
ということを経験から知りました。
若い頃の自分は幼稚で未熟でした。
人と自分を比べては
生まれてこなければ良かったと
泣いて
自分よりも劣っている誰かを
いつもどこかで探していました。
いつこの世からいなくなっても
いいと思っていました。
人からよく見られたいという気持ちは
ファッションに支障をきたすだけ
ではなく仕事や私生活まで影響が
出てきます。
どんなことにおいても
他人の評価のための努力と
自分を磨くための努力とでは
結果が大きく違ってきます。
私は自分を変えたいと何回も
思いました。容姿を含めてですね。
ヘアメイク養成スクールに通って
アパレルのアルバイトをしたり
自分で洋服を作ったり
でも本質的には
人からよく見られたいという
願望からの行動だから
上手くいかないとカッコ悪いから
結果を見る前に諦める
いつもこれの繰り返しでした。
体作りにおいては最悪でした。
ダイエットやボディメイクは
人からよく見られたいと言う前に
自分で変化を見て少しの成果を
認識して次に繋げていくことが
とても大事です。
だけど、底辺の自己肯定感をもつ
私には痩せても痩せても自分が
醜くうつり
拒食症という最悪の結果に
なってしまいました。
食べると太るという恐怖と
痩せても醜い自分の間で
私は心身共にどんどん弱って
いきました。
私が他のスタイリストの人より
スタイルアップに細かく
こだわるのはこういった
経験があるからだと思います。
なぜ私は痩せても痩せても
スタイルがよくならなかったのか。
人の身体のバランスは
対比によって決まっていくんですね。
私は鏡を見る時に
コンプレックスである顔や下半身
ばかりに集中して自分を見ていました。
だから
全体の身体のバランスのとり方を
知ろうとしなかったんですね。
頭が大きい人が
棒のように痩せてしまったら
当然対比で頭は大きく見えます。
脚が短い人が安易に高いヒールだけで
解決しようとすると
逆に背が小さく見えるんですね。
私は何も知らずに
細く見られたい一心でゆとりのない服と
高すぎるヒールを選んでいたんですね。
コンプレックスを隠すどころか
それを強調していたんですね。
私はかろうじて生活を続けました。
家族のためだけに生きていただけでした。
しばらくすると母が亡くなり
父を悲しませないように生きて
父が亡くなる直前に家族ができて
その家族のために生きて
命を繋いできました。
そしていよいよ私はその家庭を
失うかもしれない局面に陥りました。
家族との関係がうまくいかなく
なったんですね。
人のことばかり気にしている自分が
すべて引き起こしたことだと思います。
ここでは多くはお話しませんが
15年間積み重なったものが
一気に吹き出して
家族の気持ちがバラバラになりました。
それが46歳でした。
私はこのまま人生が終わっていいのか
真剣に考えていました。
一度も自分に満足をすることなく
人を羨んで、妬んで生まれてこなければ
良かったと
女性としての楽しさも知ることなく
人間としての達成感も知ることなく
自分と血が繋がらない元夫の家のお墓に
眠ることが急に怖くなったんですね。
私はこれが最後のチャンスだと自分に約束して
もう一度なりたかった自分になろうと
人の評価のためではなく
自分が自分で良かったと思えるように
変わろうと決心しました。
私がはじめに着手したのは体作りでした。
正しく自分の身体と向き合って
与えられた器は完璧ではないけど
磨けるだけ磨こうと思いました。
そして、ずっとやりたかったファッションの
勉強をはじめました。
自分がこうなってしまった根本のところに
向き合うしかないと思いました。
なりたかった身体に少しでも近づいて
ファッションセンスを上げて
自分に自信を持ちたい。
私の人生の殆どが自分のコンプレックスとの
戦いでした。
そしていつもそれに負けてしまいました。
こんどは戦うのではなく自分を
受け入れるための努力をしてみようと
思いました。
いつも自分が自分の一番の味方になろう
と決めました。
苦手だった女性らしいファッションを
着こなすためにも無駄に痩せない
ファッションを楽しむために
健康でいること
引き締まった女性らしい身体を
作ることが目標でした。
そこから私の人生は大きく動き出しました。
ファッションの勉強をしている時に
今のファッションの先生と出会いました。
この人が私がなりたかった自分の
ファッションスキルを持っている人だと
初めて先生を見た時にすぐにわかりました。
ファッションセンスもさることながら
ファッションに対する考え方とマインド
何よりも服に対する愛情が
他のスタイリストさんと比べ
遥かに大きい。
服は自己表現であり
他人に認められるものではない。
私が持ってる服さえも
愛情を持ってファッションを
教えてくれました。
私は先生から服を大切にすることは
自分を大切にすることだと学びました。
以前の私は、
自分を大切にできないことが
服にも現れていました。
安いと雑に扱う
高くても結局飽きる
まるで自分の扱いと同じでした。
自分と向き合ってない=服とも向き合えない
こういうことだと思いました。
私がファッションを先生に教えてもらった
最初のことは
「ファッションはバランスがすべて」
ということでした。
私は10ヶ月のファッションのトレーニングを
終えた後も、どうすれば自分の身体がきれいに
見えるのか研究し続けました。
私は自分にしかできないファッションが
あると思っています。
スタイルのことでファッションを
諦めている人、悩んでいる人の
痛みや辛さを和らげることはできないか。
どんなにささいなことでもそれを
その人達に伝えたい。
自分が一番キレイに見える洋服はなにか
コンプレックスをカバーするために
どんな工夫ができるか
そんな思いで毎日洋服を着ていたら
どんどん新しい発見が生まれました。
相変わらず自分に自信はないけど
以前よりはずっと自分を正確に観察
できるようになって
少しづつだけど変わっていく自分と
受け入れられなかった自分を
受け入れていくようになりました。
精神論やマインドだけでは超えられない
コンプレックスの壁を、超えてもらいたい
気持ちを2年間発信し続けることが
できました。
インスタグラムに投稿している内容は
すべてが私が実体験しているものです。
もし、
苦しんでいた過去の自分に教えられると
したらどんなことだろう。
どんなに小さなことでも
教えてあげたかったですね。
一センチの違いが大きな自信に
変わると伝えたいですね。
私はファッションの経験は他の
スタイリストさんより浅いと思います。
でもここまでファッションや体型の悩み、
女性の見え方について深く考えて
いる人はいないと思っています。
洋服は華やかさだけではなく
使い方を知っていれば更に
大きな効果を生むと知っています。
昔も今もずっと自分を受け入れられない人
ここにきて自信をなくしている人
色んな人がいると思います。
だけど、47年間底辺だった自己肯定感
をもつ私が本当に洋服と自分を理解し始めて
このために生まれてきたんだなと
自分が自分で良かったんだなと
思えるようになりました。
今が一番幸せですね。
自分に不満を持たず比べず
自分と自分の服が楽しめる。
本当に幸せです。
そして私は離婚をしました。
私が変わろうとしている姿をみて
元夫は今の家をそのまま提供すると
言ってくれました。
私がなりたかった自分になるまで
出来る限りのサポートすると
離れた場所から私達を見守ってくれています。
ヨーロッパでは
年齢を重ねることをポジティブに
捉えているとよく聞きます。
こうやって色んな経験をして成長をして
いろんな価値観があることを知って、
心が豊かになるのはこれからだと思います。
もしこれからの自分や容姿に不安を
抱えている方がこれを読まれてるなら
これから新しい自分を発見するためにも
一度クローゼット中の服と向き合って
ほしいと思います。
見向きもしなかった服が今は
自分をキレイに見せてくれるかもしれない
逆に頼り切っていた服が実は
今の自分には頼れなかったりすることに
気づくかもしれません。
そしてその服たちが
もう一度おしゃれを見直して
新しい自分で頑張ってみようという
自分の支えになってくれる
のではないかと思います。
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